今年一番ワクワク度が高いガジェット!!デジカメSIGMA dp2 Quattroレビュー

癖がありながらも非常に面白いデジタルカメラ、SIGMA dp2 Quattro。入手してから1ヶ月弱使用しての感想をまとめていきます。
※購入の経緯などはコチラのエントリで
スマートフォン王国!!-【デジカメ】SIGMAのdp2 Quattroを購入
デザイン
dp2 Quattroを見た時にどうしても気になるのが本体のデザイン。通常のデジカメよりも横に長く、バッテリーを収納したグリップが後ろに出ている。
・dp2 Quattroはボディが横に長く、グリップが後ろに飛び出ているのが特徴
最初は「持ちにくそう」と感じたものの、実際持つとグリップ力抜群でかなり持ちやすい。
存在感のあるレンズ。焦点距離30mmの単焦点レンズ(35mm換算で45mm)
ズームなどが出来ない分、自分の足を使って撮影しないと行けないカメラです。
この特異な形から、撮影していると結構な確率で「このカメラはなんですか??」と聞かれ、コミュニケーションのキッカケとなる事もありました。
この独自のデザインはワクワク感を煽りつつ、愛着も湧いてきます。個人的には凄く好きで、普通のカメラには戻れなくなります。
重さ
dp2 Quattroのメーカー公表の重量は410g(バッテリー・カード除く)
コンデジとして考えると重く、ミラーレス一眼と考えると妥当、デジタル一眼レフと考えると軽いと感じます。
私はフルサイズ機D700(本体のみ995g)からの切替だったので、かなり軽く・収納もコンパクトになり満足。
(ただしD700の方が得意なシーンも多々ある為、失った物も多い汗)
実際410g(に諸々足して実質500gくらい)だとカバンに入れっぱなしでも気になる重さではなく、「とりあえず」持ち歩くハードルがとにかく低い(フルサイズ一眼は持つ時に覚悟が必要だった) なので毎日持ち歩いては何かしら撮っている。
また、この適度な重量感は「質感の高さ」「撮影時の安定」につながっており、これまた満足なスペック。
作例
dp2 Quattroの特異なデザインは、これまた特異なイメージセンサー「Foveon X3センサー」を実現する為に設計されているから。
※センサーについては僕も正しく分かりやすい表現ができないため、この記事を呼んで頂ければと思いますm(__)m
メーカー直撃インタビュー:伊達淳一のもっともっと知りたい!!:SIGMA dp2 Quattroの新Foveonセンサーはカメラの解像力の概念を変えるのか – デジカメ Watch
なのでカメラとしての使い勝手もかなり特異になっておりますが、ドンピシャで撮影できた時の画質(それも解像力)は本当に他のカメラとは一線を画しています。
dp2 Quattroの一番の長所の「解像力」は元画像で見て、拡大して確かめてもらえればよく分かると思います。
これを機にflickrアカウントを作成してアップしていますので良ければ見てください。
Flickr:mobileprince
弱点1.暗所は辛い
dp2 Quattro、暗い所はかなり苦手です。ISO800で撮影したのがこの写真。
すぐにザラザラしまし、得意の解像力も皆無です。
こうしたシチュエーションでは三脚など固定するものが必須。
逆に暗くても、固定してシャッタースピード10秒くらいにするとこれだけ綺麗に移ります。
なので室内で動きまわる子供を取ろうとするのは相当厳しくなります。
被写体ブレは仕方ないにしても手ブレを防ぐ為に、上半身の体幹を鍛え直した方がいいかもしれません。
弱点2.保存速度
SIGMAとしてdp2 Quattroの前機種に当たる「Merrill」シリーズより保存速度が速くなったとの事ですが、一般的なカメラと比較するとまだまだ時間がかかります(これも独自センサーで独自の処理を行っている為で、解像力とトレードオフ)
vineで撮影してみました。モニターに画像がすぐに表示されましたが、左下のSD書き込みランプが赤く光っている様に、SDカードへの書き込みは6秒で終わりきらない…(なので画像の詳細を見たり、消したりするには待たないといけない)
※dp2 Quattroの設定はJpgのFINE、解像度はHIGH。SDカードがClass6なのでClass10に変えるともう少し速くなると思います。
ただカードへの書き込みへ時間がかかっても、多少は連写出来るので(連写枚数は設定によって変化) そこは不幸中の幸い。
弱点3.辛いバッテリー持ち
dp2 Quattroは1,200mAhの大型バッテリー、公式での撮影可能枚数は200枚です。
ただし、実際使っているとそこまで持ちがいい様には感じず(SDカードがスマホへWi-Fi転送するEye-Fiカードと言うのも理由の1つでしょうが)、旅行やお出かけの時に丸一日は持たない。
なので、dp2 Quattroでは最初からバッテリーが2つ付いており、またどのバッテリーか分かる様にシールも付属しております。
残念ながら端子がminiUSBと言う点。これがmicroUSBであればスマホとケーブルを共有出来てモバイルバッテリーなどで充電が出来たのですが…。
メニューやインターフェースなど
ボタン類は特にゴチャゴチャしている事もなく、シンプルで使いやすい。
背面はディスプレイボタン、クイックセットボタン、AEロック/消去ボタン、メニューボタン、再生ボタン(左)、フォーカス・決定ボタン(右)
上部も電源ボタン、モード切替ボタン、前ダイヤル/シャッター、後ダイヤル
クイックセットボタンで設定出来るのは8項目。
ISO、測光モード、ドライブモード、ホワイトバランス、画質、画像サイズ、アスペクト比、カラーモード。
シャッタースピード、F値はモードによって変化しますが、基本的には前ダイヤル・後ダイヤルで操作します。
動画も撮影出来ないですし、ユニークな機能やモードなども殆どない「素」のカメラですが、シンプルな分すぐに思い通りの所へアクセスできて操作性も悪くないと思います。
金額
カメラの金額は一般的に、画質と比例し、本体サイズと反比例します。
と、言う事で画質が素晴らしく、本体サイズもコンパクトなdp2 Quattroは本体価格が約10万円です。
SIGMA デジタルカメラ dp2Quattro FoveonX3 有効画素数2,900万画素 930257 | |
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絶対に安くない金額ですが、後述するdp2 Quattroの魅力に共感出来る方であれば買っても損はしない、満足度の高いカメラだと思います。
dp2 Quattroの魅力
長々と書いたこのレビューをざっくりとまとめるとこんな感じ。
dp2 Quattroの長所
・個性的で質感の高いデザイン
・キチッと写った時に恐ろしい解像力
dp2 Quattroの短所
・高感度撮影が苦手
・保存に時間がかかり、バッテリーの減りも早い
・単焦点レンズなのでズームが出来ない
・本体価格が高い
今までは万能度が高いSONYのRX100やフルサイズ機D700を使っていた事もあり、高感度撮影や保存速度などは気にした事がなかったのですが、dp2 Quattroは「撮影者が考えてじっくり撮る」スタイルでホームランを狙うしかなく、結果として短所を補う為にかなり考えて撮影をしている。
これが純粋に「撮影を楽しむ」ことに繋がっており、この感覚は「未完成で使いにくいスマートフォンをアプリを探してきて補う」行為と似ていて、四苦八苦しながらも懐かしい気分になっている。
最近はスマートフォンなどが黎明期から安定期へ移り変わり、安定・安心さと引き換えにワクワク感が失われているので、毎日持ち歩いて撮影するのが今はとにかく楽しい。
スマートフォン王国!!-docomo冬春モデル発表会で感じた「俺らがワクワクした時代」の終わり
この辺りの感覚が何となく伝わった方であれば、dp2 Quattroを購入しても後悔しないのではないかと思います。
今後も当ブログにてレポートを続けていきます。