海街diaryについて

話題の海街diaryを見てきました。
※メンズデー。フリーランスは平日のメンズデーやファーストショーをガンガン利用できるのが嬉しい
作品の細かい説明は不要だと思います。僕の下記のつぶやきを信じて見てきてください。以下、見た人向けにネタバレ。
海街diary、開始10分で長澤まさみのワキ、ブラ、喪服で数え役満でした。
— モバイルプリンス (@mobileprince_PR) 2015, 7月 6
※冒頭のワキシーンは、ストーリー的にもあまり重要ではないし、あのセクシーさも作品全体から浮いている感じがするから完全にセクシーショットだと思うw
・ストーリーについて
お話としては、三姉妹の家に腹違いの妹が住むことにより、それぞれの立場で家族のあり方と、自分を考えるという流れ。特に長女で姉妹の保護者的役割の綾瀬はるかと、腹違いで再婚・父との死別を体験した思春期の末っ子広瀬すずの二人の成長を描いている。 こうしたお話は「未熟な主人公が、冒険して、そこで通過儀礼を受け、成長して戻っていく」というのが王道(思い出のマーニーとか)ですが、海街diaryは「広瀬ずすが、鎌倉へ行き、成長してその場所で自分を確立」するというお話です。戻らない。
劇中、映画的な派手なシーンや大事件もなく、淡々と家族が生活しながら葛藤を乗り越えていきます。是枝監督のそして父になるも名作でしたが、「子供取り違え、どっちを選ぶか?」の様な分かりやすいドラマや究極の選択はなく、ストーリーの派手さは本当にない。しかし、セリフの一つ一つが繊細かつ、展開も少し早めで一度見ただけでは分かっていない所も多そう。
冒頭の父親の葬儀のシーンで、泣いて喪主挨拶ができない後妻が「すずちゃん、しっかしているから挨拶して」と言った時に綾瀬はるかが「子供にさせることではありません」と一喝する。綾瀬はるかの責任感、後妻の「こいつ今までも面倒なことは押しつけてきたんだろうな」感が一瞬で分かり、笑顔が少なく心を閉ざしている広瀬ずすが鎌倉移住を決める理由付けにもなる。
こんな感じでふとした会話やセリフ、所作が後の展開にきいてくるので何度でも見たくなる。
また明解な悪役がいないのも特徴だと思う。無神経な大叔母、アレな後妻、長澤まさみのヒモなど、ちょいちょい「なんだこいつ」と思う人はいるものの、実際私達に回りにも結構いるタイプの人間で、「倒すべき敵」みたいな感じではないので、ラストでやっつけられて「スカっとした!!」とカタルシスは生まれない。そうした意味でも平和な映画だ。
・食べ物が美味しそうだ
朝帰りした長澤まさみが家でご飯を食べるシーン。美人三姉妹バイアスもありながら実に美味しそうである。古いながらも風格がある家の和室で、白ご飯と浅漬け。そして次のシーンでは電車に乗りながら駅弁を食べ…広瀬ずすが引っ越してきた時には手作りのそばと天ぷらと終始美味しそうな食べ物が出てくる。風吹ジュンが営む食堂やリリーフランキーのカフェなどの外食もしっかりと脇を固めており、家族と笑いながら温かいご飯を食べたくなる作品でした。
・女優の旬を切り取った名作となりそう
海街diaryは綾瀬はるか、長澤まさみ、広瀬すずのそれぞれの年齢ならではの「旬」を切り取っていると思う。輝いていました。
三女の夏帆に関しては、役があまり出番がない感じだったのと、「この三人と並ぶとね…」という位に他が素晴らしかったと思います。
特に綾瀬はるか・長澤まさみは同世代で、セカチュー映画版で長澤まさみ、ドラマ版で綾瀬はるかが同じ役を演じており、業界でも同じようにキャリアを重ねてきた女優二人が姉妹役として初共演。同世代の私としては尚更グッと来るものがありました。
実をいうと終始長澤まさみに見入ってしまい、ストーリーはあまり頭に入っていません(前述したように、繊細かつスピーディーなのでただでさえ気づきにくいのに…) この映画を見たオッサン同士でしらす食べて梅酒飲みながら「どのシーンの誰が良かった」とずっと語り合いたくなりました。更にいうと、映画館で「おれ、このままこの映画がたんたんと続いて、ここで餓死してもかまわない」と思ってたよ。
・日本に嫉妬するアイテム
舞台は鎌倉。家は古いけどしっかりとした和風家屋、庭の梅、和室。紅葉に桜と食べ物も場所も、和・和・和のオンパレード。
細かい所で言うと、綾瀬はるかはガラケー、長澤まさみはARROWSと日本製スマホで、劇中「外来」のアイテムはあまり出てこなかった。
日本の田舎の親戚付き合いの面倒くささまで表現されていて、本当お見事。
実は紅葉、桜などは沖縄出身・在住の私も嫉妬してしまう「日本」っぷり。これを見ると本当に日本が好きになると思う。
海街diaryは家、梅酒、しらす、花火、紅葉、桜と世界に誇れる「日本」らしさが満載な上に、綾瀬はるか長澤まさみ夏帆広瀬すずの最強四姉妹の魅力が惜しげも役詰まった神映画だった。この映画を積極的に輸出して、日本のイメージを高めよう。これぞ、究極の平和外交。
— モバイルプリンス (@mobileprince_PR) 2015, 7月 6
平和外交は半分冗談・半分希望なんだけど、こうした日本映画は本当に見てもらうべきだよな。
と、1度しか見ていないので考察というには荒すぎるほどですが、見てカロリーを使わないタイプの映画なので時間見つけて何度か見たいな。
Blu-rayを再生しながら仕事したらスピード上がりそう。