auが夏モデル発表会を開催!!8台の新機種に新たな通信サービス、決済の黒船も

KDDI・沖縄セルラーは5月8日、2014年夏モデルとなるスマートフォン6機種、タブレット2機種を発表した。また、スマートフォンへの搭載は初となる通信規格のWiMAX2+、複数のLTEの周波数を束ねて高速化・最適化をおこなうキャリアアグリゲーションの対応も発表。あわせて、決済サービス「au WALLET」も発表しました。
au 2014 Summer 最新技術「LTE-Advanced (CA)」と「WiMAX 2+」をダブル搭載した次世代スマホやタブレット、全8機種が登場 | 2014年 | KDDI株式会社
SoftBankは2014年の夏モデルに関しては「発表会は行わない」(孫正義社長)とやや低めのテンション。対するdocomoは5月14日に開催することから、今回のauが夏モデルの発表は一番ノリとなりました。
今回の発表は「端末」「通信」「決済」と大きく3つの軸で出来上がっているので、それぞれ確認してみましょう。
バランスがいいと感じた端末ラインナップ
まずは端末。今回はスマートフォン6機種、タブレット2機種を発表。いずれも搭載しているOSはAndroid。
端末は以下のとおり
・isai FL LGL24(LG電子)
・Xperia ZL2 SOL25(ソニー)
・GALAXY S5 SCL23(サムスン電子)
・AQUOS SERIE SHL25(SHARP)
・URBANO L03(京セラ)
・TORQUE G01(京セラ)
・Xperia Z2 Tablet SOT21(ソニー)
・ASUS MeMO Pad 8(ASUS)
まず感じたのは「バランスの良さ」です。昨年の夏モデルが4機種で「少ない」と感じたので、今回の8機種は多すぎず、少なすぎずでちょうどいいと感じます。
また端末もグローバル機(GALAXY)もあり、国産モデルもあり(AQUOS)、オリジナルモデルもあり(isai)、また変わり者もあり(TORQUE)、8機種の中でもいい具合にバラけているので「バランス良いなー」と思う訳です。
※小型機種や、Android以外のOSを搭載した機種などもあればなお良しでしたが
特に面白い機種は、耐衝撃スマホ京セラTORQUEです。
auではG-SHOCKのタフさそのままの「G’z One」というシリーズがありましたが、製造元のNECカシオがスマホ事業から撤退し、一定の需要はありならがも後継機種の発売が絶望的な状況でした。
と同時に、国内でのスマートフォン事業の展開は少し遅れたものの、アメリカ市場で「防水」を武器にガンガン売っていた京セラが逆輸入的な形で日本でタフネススマホのTORQUEを販売するというコンテクストが既に面白いです。
京セラは今回アクティブな中高年層をターゲットとした「URBANO L03」も発売しており、着実に日本でも存在感を出していると思います。
なお、今回のラインナップ外で「HTCの端末を用意している」(田中社長)とのことだったので、コチラも楽しみです。
スマホでは初の「WiMAX2+」と「キャリアアグリゲーション機能」を搭載
続いては通信の部分を見て行きましょう。今回はスマートフォンでは2つの初めての機能が搭載されました。
一つ目はWiMAX2+。コチラは2.5GHz帯を使用した高速通信サービスで下り最大110Mbpsの高速通信が使えます。
今までは対応したモバイルWi-FiルーターでこのWiMAX2+が使用出来ましたが、今回発表された新機種ではTORQUE以外は対応。
理論値が100Mbpsを超えて凄く速いのと同時に、ユーザーがまだ少ないと思われるので混雑しにくいと推測されます。
懸念としては、エリア。首都圏を中心に徐々に広げていくと思うので、予めエリア検索で調べてた方がいいでしょう。
ちなみに私が住んでいる沖縄県ではまだ対応エリアは無し。
サービスエリア|UQ WiMAX|超高速モバイルインターネットWiMAX2+
また、WiMAX2+は2.5GHz帯という直進性の高い電波ですので、室内や地下が弱いと推測されます。エリア検索で対応していても注意が必要です。
そしてもう一つの初は「キャリアアグリゲーション機能」(以下CA)への対応(コチラもTORQUEをは非対応)
CAは異なるLTEの周波数を束ねて効率使う仕組み。
4G LTE キャリアアグリゲーション | エリア | au
先ほどWiMAX2+の所で出した表で「2.1GHz帯のLTEは最大150Mbps」と記載しておりましたが、この2.1GHz帯は3Gと共用しているので、20MHzまるまるLTEでは使えないのですね。そのため、800MHz帯のLTEと束ねて、150Mbpsの高速通信を実現するのです。
周波数を束ねて効率化を行う、という様な内容で新たに車線を引くわけではないので「今までのLTEと比較しても劇的な変化はないのではないか」と個人的には感じております。ただし、CAを行わないとLTEスマホユーザーが増えたり、データ通信量が増えた際に速度低下が起こるのですが、それらを喰い止める役割になるでしょう。
※この辺りは詳しい方がいればご意見頂ければと思います。
ちなみにこのCAはNTTdocomoも2014年度中に提供することを明らかにしています。
通信に関しては「WiMAX2+の搭載」「CA機能への対応」の2つの初めての搭載。いずれも「体感速度が物凄い変わる」というよりは「混雑時の速度低下を喰い止める」という側面が強い様な気がするので、使ってみてどうなるか確認してみたいと思います。
新決済サービス「au WALLET」の発表
以前から構想は明らかにしていましたが、今回の発表会で改めての発表となったau WALLET。
au WALLET | au
ざっくり説明すると「auが提供するプリペイドのクレジットカード」という事です。
カード型なので、機種変更や修理時に管理する必要がなく、またマスターカードが使える店舗であれば基本的に使用ができるという点が従来の電子マネーと違う所。
またau WALLETを使用すると200円につき1ポイント貯まります。
ここが一つのミソなのですが、au WALLETはプリペイド(前払い)のサービスなので、お金をチャージする必要があります。
例えばクレジットカードでチャージした場合、クレジットカードのポイントも貯まり、使用した際のau WALLETのポイントも貯まる2重構造になっているのです。
ポイント付与は僅かではあるものの、賢く使えば消費税の増税分くらいはまかなえそうです。
現在はカードの申し込みで1000ポイント付与などの色々なキャンペーンを行っているので一度チェックしてみて下さい。
au WALLET キャンペーン・特典一覧 | au
今までケータイ会社は「キャッシュバック」などで他社から顧客を引っ張ってきた側面がありますが、これからはau WALLETに代表される様な「この会社じゃないとメリットがない!!」と思わせる様な自前サービスを始めて、顧客獲得・解約抑止をここなう時代になると思います。
そういう意味では、機種でなくサイフでガッチリと顧客をつかむのは、今後auという会社の核になる可能性も秘めています。
まとめ
他社に先駆け「端末」「通信」「決済」3つのサプライズを仕掛けてきたau。この1年くらいは評判とともに「好調」といえる状態でしたが、先を見据えた「通信」と「決済」を確実に仕掛けてきたので、他社は更にインパクトのある何かを仕掛けてこないとこないと、auに独走されるかもしれませんね。
個人的にはau WALLETの申し込みを済ませたので、到着が楽しみです。